特集~門司港地ビール工房! 福岡・九州のビールフリーペーパービール大好きドットコム

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特集その3~門司港地ビール工房!

レトロの街を訪ねて

明治・大正・昭和とその面影を今に残す『門司港レトロ地区』
そこに今回の特集である、北九州地方唯一のブルワリー「門司港地ビール工房」がある。
関門海峡を望むこの地にブリュワリーを構えたのは1996年。オーナーがアメリカのタコマ市で飲んだビールがきっかけだったという。1階はジンギスカンのレストラン、2階が醸造所となり3階もレストランという作りだ。レギュラーのラインナップはヴァイツェン、ペールエール、驛ラガアの3種。
レストランでは勿論出来立てのビールが楽しめ、またそこからの抜群の眺めを楽しむのもいい。
アクセスはJR門司港駅から徒歩7~8分だが、レトロ地区の景観に目を奪われがちでもう少し時間が掛かるかもしれない(僕はかかった)。

ビールが好きだから

今回醸造部主任の峯松幸之助氏に話を伺うことができた。(以下敬称略)

2003年から醸造責任者となった峰松の入社のきっかけは「ビールが好きだったから」
大手と違いマイクロブルワリーは全ての工程に携わることが出来ると考えた結果地元の門司港地ビール工房を選んだ。(ビールに関わる全てのことが醸造部の仕事、理想はお客様が口にするまでを管理したい)
自身が好むスタイルはヴァイツェン。
しかしそのヴァイツェンも品質が安定するのに苦労したという。他の国内のブルワリーで気になるところを聞いてみたところ富士桜高原ビールや大山Gビールのような「自然の中の環境」で作っているところ、を挙げた。
現在レギュラー3種の他シーズナルでの醸造も行なっており、訪問時のメニューにはデュンケルヴァイツストロングがあった。
ハウスビールの醸造も受けており東京のビアバーの他、地元北九州小倉のbootiesにはIPAも下ろしている。

またラインナップでは驛ラガアとなっているが3月限定で天然水仕込みでのピルスナーも出るとか。さらには冷蔵庫を増設しヴァイツェンボックを熟成版として準定番で出したいという。
特別に醸造設備も見学させてもらう。微かに酵母や麦芽の香りが漂っていた。

定番3種を試飲。ホッピーさよりモルティな感じに仕上げる。醸造所から0メートルでサーブされるビールの旨さはちょっと筆舌に尽くし難い。
いずれも高いクオリティだが個人的には「驛ラガア」のアンバーな味わいが良かった。
昭和初期テイストを出すためにあえて「洗練されてない感」を出しているとか。

上記の通り絶好のロケーションを誇るレストランは地元客で賑わうが、やはりシーズンは観光客でごった返すという。福岡ではゴールデンウィークに百地で「九州地ビールフェア」が行われるが「とても出展できる状況じゃない」とか。
醸造量も毎年1割増しというが2年前の夏には定番ビールが切れてしまい、レストランでは広島の呉ビールや宮崎ひでじビールをゲストに入れてしのいだという。
設備を増やすのも限界だが、外販を止めてでも併設のレストランでの消費を優先したいと考えている
確かに日産数万本を誇る大手のマスプロダクト的なビールと違い、まさに手作りでの少数生産品である同工房のビールはレストランでの作り手の顔が見える感じで味わって完成するのではないだろうか。
(実際1階のレストランから仕込み工場の中が見える)
「ここで飲んでもらいたい。感動を与えたい。ビールにしろロケーションにしろ。」とオーナーの言葉を峰松はいう。この小さな、しかし妥協のないクラフトビールは門司港レトロ地区が誇る自慢の「地ビール」だろう。
福岡方面からでも特急だと1時間もかからず行けるので、ぜひ足を運んで欲しい。
最後に、忙しい中拙い取材に対応頂いた峯松さんに感謝申し上げたい。橋渡しをしてくれたBeerPaddyFukuokaのマーシーにも感謝!

さてもし時間があれば少し前の門司駅でも降りて、「門司赤煉瓦プレイス」で明治・大正時代に九州で初のブリュワリーとなった「帝国ビール」醸造跡地を散策してみるのもいいかもしれない。
明治45年に設立した「帝国麦酒」は大正2年に『サクラビール』の醸造を開始。当時全国シェア10%を誇りかつては東京や大阪にもそのネオンが輝いていたという。

その後大日本麦酒(後のサッポロビール)に合併され、施設は2000年までサッポロビール九州工場として稼働していた。
現在は跡地を利用した資料館になっている。
また醸造の工場(旧サッポロビール醸造棟)内の一部がそのままBarになっており、100有余年の歴史を感じながらビールが飲めるのも貴重な体験だろう。

またかつて門司港地ビール工房では「サクラビール復刻版」を大正ロマン100年祭の目玉として醸造したそうだ。
サッポロに分析表などの資料を借り、レシピはないので文献で調べつつ当時飲んでいたという90過ぎの方に試作を飲んでもらいながら!
またこの施設は年に何度か一般公開される時もあるというのでその時を狙って行くのもいいだろう。

書いた人 = マナブ
発行人兼暫定編集長です。
趣味はビールの他はジムで踊る(ZUMBA!)、料理、猫、ボーっとするなど。 最近はビール系のイベントとジムのダンスレッスンが被ったりすることが悩みというノーテンキさ。
好きなスタイルは普段飲みはIPA。ジックリ飲む時はインペリアルスタウトとかもスキ。 このサイトはwordpressで構築しています。レスポンシブにも対応。
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